黒酢の製法
露天かめ壷仕込み
黒酢造りに欠かせない壷。
福山酢の黒酢の特徴は、苗代川焼のかめ壺を使った露天かめ壷仕込み。文政3年(1820年)頃より伝わる昔ながらの醸造方法です。露天に並ぶ陶器製のかめ壷に玄米・水・糀のみを原料とし一壷一壷仕込みます。古いものだと200年程歴史のあるものもあります。 大きさは様々ですが三斗(54L)のものが多いです。壷が並んでいる場所を壷畑と呼んでいます。この壷畑がヤマシゲの誇りなのです。黒酢の製造工程
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原料の選定
国産の丸玄米
国産の玄米のみを使用、光沢の良いものを選び、脂ぎったものを使用不可品とします。油脂分が発酵、糖化に適していないためです。できるだけ自然の原料、安全に配慮し、純良な玄米を厳選します。霧島市福山町の地下水
醸造用水は、酢造りにおいて極めて重要な要素です。水の味、臭気、水質反応、硬度を厳密に検査し、四季を通じて変わらない無味無臭の最良の自然深層水を使います。黒酢造りに欠かせない壷
酢がめ壺を用い、雑菌のない清潔な状態で準備し、醗酵環境を整備します。 -
糀づくり
糀は酢づくりの第一歩としてもっとも神経をつかいます。自家製の糀は昔ながらの手造りを継承しています。 -
仕込み
仕込み時期の決定
昔ながらの露天壺仕込みで、四季醸造が不可能なため、年2回春と秋の温暖な気候を選び、古典的な手法で行います。仕込み壺の選定
仕込み壺は苗代川焼の酢がめ壺を用い、雑菌のない清潔な状態で準備し、発酵環境を整備します。仕込み作業
できあがった糀は、下糀として酢がめ壺に適量入れ、その上から蒸し玄米を移し入れます。そして醸造用水を静かに入れ、更に上糀として糀入れをし、適度に密封をします。 -
発酵
密封後、約3ヶ月〜6ヶ月かけて糖化・アルコール発酵・酢酸発酵を行うと、甘酸っぱい香りの黒酢となります。 -
熟成
酸度4.3%に達すると熟成に移り、半年〜2年の熟成期間を経て、天然醸造特有の色・味・香りが育ち、自然食品の逸品としての福山酢が誕生します。